・ 押す、揉むのではなく、つかむ独自の手技で
 コリを取る。そしてうつも……

   時にはメンタル以上に、現代人の多くを悩ませる体のコリ。
 首回りから肩にガッチリできたコリは私たちの気分を日々どんよりと沈ませ、つらい痛みのある偏頭痛をもたらすこともあります。腰に重みや鈍痛があるときも、また同様。ヘビーになるほど外出はおろか、家の中で動くのも億劫になります。これらは大小のストレスとなって、私たちの心に日夜重くのしかかります。ならば時につきあい、病気になったら早めに治したい「うつ」 も、あるいはコリが原因で現れると考えてもおかしくはないでしょう。
 「コリを取り除けば、うつは治る」 と語るのが、東京・吉祥寺の武蔵野リバース院長 “コリトル先生” こと、高山峰壽さん。「高山式気功整体指圧」に基づく 「サーキュレーションセラピー(高山式体液循環療法)」 は押すのでも、叩く、揉むのでもなく “つかむ” 手技で体に持続圧をかけ、厄介なコリ(慢性筋肉疲労)を取っていくもの。その結果として血液・リンパ液の循環が良くなり、気分はアップ。体のエネルギーが増し、やがてリバース(生まれ変わる)していく……。
 体の自然治癒力を高めることで治療に導く東洋医学。理解がやや難しい、科学を超越した部分もありますが、まずは施術を体験しながら、コリトル先生にお話をうかがいました。

・すべての人にコリがある。だから“コリは裏切らない”

――首や肩が凝っている日は体の節々が痛いし、重いしで何事に対してもいまいちやる気が湧きません。そこに頭痛が伴えば動けない、嘔吐もあったりして、もはや薬に頼るしかなくなります。体のコリと脳・メンタルはつながっていると日頃から考えています。
コリトル先生 私が1番お伝えしたいのは “コリは裏切らない” ということです。ウチに来るみなさんは病院に行き、整体やカイロプラクティック、カウンセリングに通いながら、最後にここにたどり着いています。どなたが来てもみな同じ、そういう意味でコリは裏切らないんですね。
――心身の調子が悪いといって来た人で、体にコリのない人は1人もいなかった?
コリトル先生 いません。100%の人が凝っていました。
――人はいつから凝り始めるのですか?
コリトル先生 生まれた瞬間からです。生まれる前の赤ちゃんは母親のお腹の羊水の中で、圧をほとんど受けずに守られています。母体は圧を受けても、赤ちゃんは重力から開放されている。生まれた瞬間から重力にさらされて、以後は否応なしに体に受け続ける。これがコリを作る第一の原因です。
――二足歩行する人間の宿命ですね。
コリトル先生 馬やシカは生まれたらすぐに立てますよね。人間の赤ちゃんはベッドに寝たまま重力を受け、やがて座り、10カ月から1年の間少しずつ重力に慣れながら立ち上り、歩き始めます。体が柔らかい子どもはコリの影響を感じませんが、成長するにつれて自覚されていくわけです。
――次にコリを作る原因は?
コリトル先生 体の冷えと睡眠不足です。昔の子どもは夜8時には眠くなったものですけど、今は10時、11時まで眠くならない。塾帰りや遊びで夜遅い時間に子どもが街を歩いているのも普通で、親が子どもが遅くまで起きていても気にしないんですよね。やはり昔は眠るときにエアコンはつけなかったものですが、ウチに来るほとんどの人が夏の間はつけっぱなしで寝ていて、それを当たり前と思っています。エアコンは冬の寒さとはまったく違う冷えで、体を冷やします。冷蔵庫も大きくなる一方で、街中には自動販売機も反乱してますよね。冷蔵庫に入れた飲み物や食べ物は、口にした人の体を芯まで冷やします。レストランで出てくるのもお茶から氷水に変わり、親がファミレスに集まってはおしゃべりに興じる横で、子どもたちはドリンクバーを何度も往復してはガブ飲み状態ですよ。
――恐ろしくなりますね。
コリトル先生 夏の風物詩だったビールも1年中飲むのが当たり前。秋・冬・春は日本酒の熱燗、せいぜいウイスキー、ブランデーを飲んでいたのに比べると、やはり体を冷やしています。見逃せないのがアイス類で、これも季節商品から通年になっています。
――食べ物自体の熱エネルギーが小さくなっているのに、なおかつ冷たいものばかりを体に取り込んでいる。
コリトル先生 日本食離れで食卓が洋食化して、メニューには冷やしたサラダが付き物でしょう。夫婦共働きの家庭では便利な冷凍食品に頼っています。住環境や食生活が欧米化したことによって、現代の日本人は小学1年、2年生の子どもの頃から大人になるまで、慢性的な睡眠不足と体の冷えにさらされてるんですね。
――原因はほかにも?
コリトル先生 ストレスと呼ばれるもの、全部がそうです。負けまいとする人は誰でも頑張るときは本能的に力んで、歯を食い縛って頑張る。そうしないと頑張れないからですけど、それも筋肉にコリを作ってしまうんです。今はパソコン・携帯電話・テレビゲームがストレスの大きな原因になっています。人間も動物の一種で、体の機能の最も大事なところを司っているのが筋肉です。人体の70%は筋肉でできています。動物はあまりジッと座っていてはいけない。人も本来は立ったり座ったり、動いていなければいけない。1日最低でも8時間、12時間、下手をすると15、16時間座りっぱなしの人が非常に多いわけです。うつ病を抱えてウチに来た、ほとんどの人は一日12時間から15時間以上パソコンの前で座って、仕事をしています。
――IT関連が多いようですね。
コリトル先生 ウチにも若い男性が来るようになっていますが、SE(システムエンジニア)の方が圧倒的に多いですね。プログラマー、商品設計などの1日中パソコンを使って仕事している男性と、事務職の女性です。とは言え、SEという職種が悪いわけではもちろんありません。SEをしていると絶対に病気になるかといえば、そんなこともない。遺伝的に柔らかい筋肉を持って生まれてきた人は、20年間SEを続けてもピンピンしています。筋肉を酷使するスポーツ選手も、一流選手になるほど簡単に硬くならない。ストレスをどんなに受けても筋肉が吸収してくれるんです。ウチが入っているビルに著名な女性漫画家がいるんですけども、その方がここに来たとき「私が業界で生き残れたのは、1週間徹夜ができたから」 と語っていました。コリを作る原因の1つに、人間の個体差もあるということです。
――DNAレベルですね。
コリトル先生 おそらくそうです。これは体験から話していますけど、白人と黒人は柔らかい。中国、韓国、朝鮮、日本のアジア人が1番硬い。でも、いずれにしても人は “筋肉が主役” です。
――私たちは日頃、筋肉といえば主に運動を司るためにあるものと捉えています。ここでの主役は自分の心や脳ではなく、筋肉なんですね。
コリトル先生 それを初めて認識できたとき、精神や心は筋肉が生み出すエネルギーの作用であることがわかります。脳は感じて、考えて、さまざまに計画を練って、指令を出して、体を動かす役割を担っています。脳は各筋肉に指令を与える臓器にすぎません。筋肉によって、心や精神は生み出されるのです。
――興味深いですね。けれども 「何を言ってるんだ?」 と疑問に思う人も多いでしょう。
コリトル先生 心・精神・意識という言葉が全部同じに使われてしまっているのがいけないんです。心や精神は内臓の筋肉が作り出すエネルギーそのものなんですね。内臓を筋肉とは言わないでしょう。内臓も平滑筋という筋肉で作られているんですよ。「睡眠・食事・性・財・名誉」の “五欲” は人間の行動の源泉になりますが、この生に対する欲望はすべて内臓で作られます。例えば腸の活動が損なわれると、性欲も睡眠欲も落ちていきます。最後には五欲が失われて何もする気が起こりません。「やる気がない」とはこの状態を言います。
――不思議な話に聞こえますが……。
コリトル先生 「食べたい!」 という欲求が湧いたとき、脳は 「じゃあ、どこで何を食べるか」 を考えます。その後に体は動く。初めに食欲が起きない限り、人は行動しない。そして食欲を作っているのが、腸の筋肉というわけです。

・エネルギーの源であるミトコンドリアの活動状態を上げるために、コリを取る

――腸が精神的作用を作っていると?
コリトル先生 腸が作りだす心、ということですね。では精神とは何でしょうか?
――この流れで考えると、まったくわかりません(苦笑)。
コリトル先生 単純に“真善美”です。真実かそうでないのか、善か悪か、美しいか美しくないか。この判断は人間が下すものです。それは骨格筋すなわち外側の臓器、“外蔵” でしているんです。
――初めて聞く言葉です。
コリトル先生 僕が作ったんです。内臓があるなら、外蔵があってもおかしくないでしょう(苦笑)。40年間近くひたすら筋肉に関わってきた僕は、西原克成先生(日本免疫治療研究会会長、西原研究所所長)と出会って考え方とコリを取る法則性、自分の技術を完成させました。コリを取ると病気が治るのはわかっていたけれども、お客さんから「なぜコリを取ると、病気が治るのですか?」「精神がアップするんですか?」と聞かれてもきちんと説明ができない。「血液循環が良くなるからですよ」 と一般的な返答をしてました。
――普通はそう考えます。
コリトル先生 確かにそうなんだけれども、十分な答えではありませんでした。悔しい想いを持ち続けていたとき、「生命の源の95%はミトコンドリア(※ヒトや動物の細胞の中でエネルギーを作り出す、細胞内小器官)が作っている」 と書かれた、西原先生の本に出会いました。各症状を真に良くするにはミトコンドリアの活動状態を上げて、体内からエネルギーを生んでいくことなんですね。西原先生の本には、もともと人間は腸からできた動物である、地球上にいる動植物はすべてホヤ(※海産動物)から進化したとあります。ホヤは腸管でできている生物で、海水やプランクトンを口で吸い、そのまま腸を通過して肛門から排泄します。この進化論から西原先生は解き明かしていました。真善美は精神で、喜怒哀楽は心。筋肉を理解していくとこの区別ができるようになりました。治療をしていた僕に、なぜ腸を整えると心が変わるのか、心臓の動きを上げて呼吸を整えると心が変わるのかが、ようやくわかるときが来たんですね。コリを取るとみなさんがとても明るくなる。ポジティブになる。それはつまるところ、全身の筋肉が躍動するからです。
――筋肉=精神。確かに運動をした後は気持ちが晴れるものです。その奥にミトコンドリアありき、ですか?
コリトル先生 そうです。10年、20年と悩んで、苦労に苦労を重ねて最後の手段としてウチにたどり着いた患者さんに治療をすると、表情がガラリと変わります。後頭部、あるいは頚椎の1番、2番辺りの、まさしく僕は筋肉しかいじっていないのに、ニコニコ笑って明るくなります。人間の体は全部筋肉システムでつながっています。首周りの筋肉をやると、腸が必ず動き出します。やがて精神的な気分が変わるんですね。
――食欲のままに満足のいく食事ができたとき、間違いなく気分は上がります。
コリトル先生 心や精神はエネルギーとして現れます。やる気=エネルギーなんですね。「ポジティブに生きましょう」 という言葉は健康な人には通じても、エネルギーのない人には届きませんし、なれません。医師やカウンセラーの言葉が入っていかない。本を読んでも映画を見ても、感動もできない。もともと言葉だけで治るものは病気ではないんですよ。
――コリから話が広がっています。
コリトル先生 コリにも病的なものと、健康的なものがあります。これも僕なりの判断ですが、筋肉に触ると硬くなってはいる。だけど気分は悪くない、落ち込みもない、積極的、些事が気にならない、言われたことはすぐにできるのは健康。僕は触りながら “あぁ、そうか。この人はこの筋肉の状態が健康なんだ” と思う。ところが筋肉は柔らかいのに病気をしている。これは “不健康な筋肉の状態” です。筋肉は生き物で、本来コリはありません。コリ=凝っている、硬くなっているという筋肉の1状態です。西洋医学も筋肉が硬くなる状態は認めています。僕の治療と西洋医学との違いはコリを病気の原因として取るかどうか。僕はコリを結果ではなく、病気の原因として扱っているわけです。うつの結果として筋肉が硬くなるのではなくて、コリがうつを作り出していると言っているんですね。 

・ 「硬い! これはうつ……」 カウンセリングと同時進行の、マッサージを初体験

  コリトル先生の 「サーキュレーションセラピー(高山式体液循環療法)」 を体験しました。
 生まれてこの方○○余年、実はマッサージ・指圧の類は一切受けたことがありません。“気持ちいいんだろうなぁ。疲れが取れるんだろうな”と思ってはみても “どうにも体が動かなくなってからでいいや” “ああいうものはオジサンがされるもの” などと自分の年齢も顧みずに考えていました。
 何よりも“他人に体を触れられるのがどうも……”という、プチうつの私ならではの意識も強く働いて、看板を横目で眺めては素通りしてきたのです。
 やはり話を聞くだけでは文章に説得力が出ません。コリトル先生の強いリクエストもあり、意を決して (ちょっとオーバーですけど) ベッドに仰向けに寝ると、顔にガーゼを掛けられて施術は始まりました。
 まずは目の付近を先生の手がほどよく押してきます。仕事も趣味もパソコン三昧の私が疲れや軽い痛みを感じては、自分でもよく押す部分です。他人にやってもらうと、これだけで十分気持ちいいものです。間もなく先生の手は後頭部へ移りました。当初から身の上話的カウンセリングを続けながらの施術。気持ち良さに乗じて抵抗なく、先生の質問に言葉がスラスラ出てきます。後頭部から首にかけて触れる先生は、
 「いや〜、硬いですね〜。これは硬いですよ!」
 「う〜ん、これではうつにもなりますよ〜」
 40年のキャリアから来る自信たっぷりに、私にとっては軽めにショッキングなことを話す先生。“事実だし、コリの硬さがそう言わせてるんだ。なるほどな〜” と1つの原因がわかり、ホッとさせられる部分もありました。首や肩に強いコリが感じられるときに、楽しい、軽快な気持ちになる人はいないでしょう。“落ち込んだり、憂鬱な気分になるのはコリのせい? ならば自分は病気ではないのかも?” と思うのも悪くありません。それにしても先生の手はただ後頭部や首の下にあるだけのように、押している感じもつかんでいる感じもないのがちょっと不思議です。もちろん、痛みはありません。なのに、先生は僕の心身の状態を把握し、手の動きと会話を続けているのです。
 リラックスして話をしていた私でしたが、スタートから数分で意識が遠のいてきました。先生が手を当てている箇所がなんとも温かく、熱を帯びているような感じもあります。数分前まで先生の提案を遠慮し、断っていた自分はどこかへ行ってしまったようです。やがてうつ伏せになると、やはり後頭部と首のみに施術が続きます。ここでは場所によって、やや痛みの走る箇所もありました。
 30分の体験が終わると、私はしばらく思考も体の動きも停止したかのようにたたずんでいました。先生に話しかけたくても、できない。表現としては稚拙ですが、“まさに安心してポワ〜ンとしていられた” がふさわしい時間でした。
 帰り道、見えるモノ・人に明るさが増しているように思えました。首回りの気持ち良さもしばらく続きました。途中から体がポカポカと温かくなったこと。緊張や硬さがすっかり取れて、束の間の安心感が得られたことが1回の体験からの実感であり、収穫でした。どちらも心身両面の健康には欠かせない要素。そう考えたとき、うつがなかなか良くならない、プチうつを解消したい人は気軽に、そしてシンプルに肩のコリや腰の痛みを取りたい人にはぜひ1度試してもらいたいと思いました。


・人の体にコリをつくる原因はさまざま。そこには出産にまつわる、ある理由も……

――なんとも体があったかくて、意識がボ〜ッとして言葉が出にくい感じです(笑)。僕のコリも少し柔らかくなったのでしょうね。
コリトル先生 首の後ろを触って 「凝ってるよ〜。マッサージにでも行ってみたら?」 と言ってくれる医師もごく稀にいます。言われた人は行くかもしれない。やってくれる所を探すかもしれない。触れられず、何も話してくれなかったら、筋肉についてはまったく関心を示さないのが普通です。先に精神ありきではなくて、筋肉の状態の結果=心と精神。筋肉が硬いから精神が硬くなる。緊張する。筋肉が柔らかければ精神もハツラツと生きられる。私がこだわるのはここなんですよ。
――その状態に追い込むのが現代のストレス社会ですね。頑張りを強要し合う、過度の競争社会でみんなが歯を食いしばり、常に緊張しています。
コリトル先生 動物の世界は弱肉強食ですけれども、基本は今食べられればいい。人間は今食べられる以上に欲しい、蓄えもする。物質欲は強い。勝ち負けにもこだわる。財も名誉も手に入れて、成功している自分を誇示したい。すべて動物には関係ないことですが、人間はそのために余計に働いて生産性を上げる。人に生まれた以上はしょうがないことで、自分1人逆らっても意味はないですよね。
――だからみんなにコリができる。うつ病になっていくコリはどこにあるものですか?
コリトル先生 首とその周りです。
――首周りのコリがあまりにもきついと、うつになる?
コリトル先生 そうです。脳に行く血流が滞るのが原因です。臓器別に現れる症状として、脳の機能障害がうつになるんですね。パニック症候群などの精神的な病気も同じです。首にコリができているということは、そこに通っている血管も凝っているということ。血管も筋肉でできていますから、やはり凝るんです。首には脳に血液を送る総頸 (そうけい) 動脈、内径動脈、椎骨動脈、脳底動脈も通っています。これらが硬化、つまりコリを起こせば、血流が十分に脳に行きません。私は自律神経だけのことではなく、脳神経システム全体について話しているのですが、自律神経も骨格筋を支配する体性運動神経も取りも直さず、すべて筋肉とつながっているということです。だから脳神経システムは筋肉システムと言えるんです。脳に血流が行きにくくなると、筋肉はこれに反応して硬くなるのです。
――心臓に現れる人もいれば、腸の人もいる。
コリトル先生 人によって、持って生まれた弱点が違うということです。パーフェクトに生まれてくる人間はまずいません。優劣をつけるものではありませんが、だれもが先天的に弱い要素を持っています。もう1つ大事なのは後天的な要素で、僕はこちらをむしろ重視しています。2、3歳の小さな子どもにアトピーや小児ぜんそくなどの病気がなぜ発症するのか? 原因には出産にまつわるケースが多いのです。吸引分娩や鉗子分娩(※分娩が進み、子宮口が完全に開いた後、胎児の心拍が悪化し、速やかに分娩させなければならない状況や、母体疲労などで微弱陣痛となり、陣痛促進剤などにも反応せず、分娩が停止してしまう場合に行う)が、子どもに病気を作る1つの引き金になっています。昔は産科と小児科が別でした。産科医は吸引分娩を行っても、母親に五体満足の赤ちゃんを生ませてあげればそれでいい。目に見える異常がなければ正常な分娩とされました。首にへその緒が巻きついて生まれた赤ちゃんも産科医は叩いて蘇生させて、後は小児科に回せばそれで完了だったんです。
――特に問題はないと思いますが……。
コリトル先生 吸引分娩や鉗子分娩で頭を引っ張られて、強く圧迫された箇所がコリになる。その影響が後頭部と頚椎の1、2番に現れて、やがて不健康なコリになっていくんです。さらに先にお話した重力も加わって病気が現れる。医者はそれを「先天性」 と言って、遺伝を病気の原因にします。へその緒が首に巻きついて生まれた子どもがその後どうなったか。今もって追跡調査がされたことはありません。因果関係もわかっていません。障害児を受け持つ医師がウチに来て、この問題について語るのを聞いたことがあります。未だにだれも見ていない原因なんですね。病気になった本当の理由を知るために、私はそこまで患者さんに聞きます。3歳から病気が出始めた患者さんに母親に聞くように言ったら、鉗子分娩という答えが返ってきました。あるいは帝王切開、へその緒が首に巻きついて生まれてきた人もいました。お腹にいるときに頻繁に超音波で探られる。これも新生児にはいいことではありません。すべてのストレスは筋肉に現れます。病気になった本当の引き金を発見してあげることが病気を治すコツ。うつの患者さんも自分で納得をされると、それだけで半分は良くなっそれだけで半分は良くなっているものです。
――理由がわかると、受け入れることができる。
コリトル先生 “私は心が弱い人間。全部自分のせい” と思っていた人が、“そうじゃなかった“ に変わるわけです。人間に強い弱いはないんです。あるのは筋肉が柔らかい、硬いだけです。歯列矯正や子ども時代の利き腕直しもそうですよ。なんでも無理やりに矯正するのが一番いけない。体に矯正を加えて無理を続けると、筋肉にコリができるんです。25歳で歯列矯正をして41歳でうつになって、外に出られなくなった主婦がいます。3年間歯列矯正して、10年後から不調になったと言っていました。利き腕を無理やりに直された子どもも、たいていは10歳前後から車酔いが始まったり、気分が不良で学校へ行きたくなくなったりします。
――先生ご自身もそんな経験をお持ちとか?
コリトル先生 私自身は小学校の低学年から風邪を引きやすくて、すぐに扁桃腺を腫らしてしまう。中学受験に向かった小学5年のときにはじんましんも出て、体中が痒い。でも理由はわからない。もっと悪かったのが鼻で、蓄膿でいつも鼻水を垂らしているから耳も悪くなる。毎日の耳鼻科通いが欠かせませんでした。今も蓄膿症ですし、季節の変わり目にはアレルギー性鼻炎や花粉症にもなります。子ども時代の僕にもきっとコリがあったはずなんです。それを確認できたのはこの道に入った20歳を過ぎた頃でした。母に聞いたら、「ヘソの緒が首に巻きついて仮死状態で生まれた」と。脳への血流が滞った時間に受けたダメージが、体に残ったのでしょう。
――ないとは言い切れませんね。
コリトル先生 僕はやる気はあったし、勉強もやればできた。遊びのメンコでもビー玉でもとにかく勝たないと気が済まない。だけど、体がついていかない。こんな勝ち気な子どもが病気のはずないんです。へその方が巻きついたことが引き金に、首全体が硬くなっていたんでしょう。自分で自分を追い込んでいたんですよ。
――体の硬さに伴なって、ある意味強情になることも?
コリトル先生 そうなんです。頑張るんです。人は何かで落ち込むと、その分 “チクショー。悔しいな。次は勝ってやる” という気持ちになります。精神の病になると、この頑張りが薄れてくるんです。負けてもいい。落ち込んでもいい。自立的に立ち直る余裕があったから病気ではなかったんでしょうけど、ものすごくコツコツ努力しないと他の生徒についていけないわけですから、子どもにとっては苦しいですよ。結局、中学受験は落ちてしまいました。とにかく受験のために勉強するのがイヤだった。その結果でしたね。
――受験が終わっても?
コリトル先生 変わらずで風邪なのか、鼻炎なのかわからない。今でこそアレルギー性鼻炎とかいろいろ病名も分かれて、原因もわかって薬もあるけど、当時はなんでも風邪薬。薬をさんざん飲まされた挙句、副作用で体が痒くなったんでしょう。受験勉強でストレスが溜まってくると余計に痒みが出る。痒み止めの注射を打ってもらうと眠くなる。眠気との戦いで勉強ができない。悪循環もいいところですよね。私の体は徹夜の勉強には持たないものと思ってました。その頃は本当に人生がイヤだと思いました。死のうとは思わなかったですけど、何もかもがイヤでしたね。

・自身の体調不良と、従兄弟の筋肉痛がきっかけで、この世界へ――

――やればできる、けれども相当な無理をしなければならない。
コリトル先生 だからいったん落ち込むと、すごい落ち込んでしまう。自信を失うと、どこまでも失ってしまう。高校受験は受かりましたけど、超優秀校に行ってしまったんです。私は高校に入ることだけを目指していたのに、みんなは東大を目指している。私大へ行くのは恥だったんですからね。小さい時から英才教育を受けている。なおかつ運動や芸術の才能がある。金持ちの子も多い。ウチは全然そんなこともなくて(苦笑)。みんなは何をやっても余裕がある。僕は全然かなわない。小学校高学年からものすごい勢いで勉強してきた僕は常にトップで、エリート意識も持っていましたけど、それからは毎日 “なんでオレはこんなにできないんだ” と、ものすごい劣等感にさいなまれたわけです。大学は目指すところは全部落ちて、最後に残った早稲田の二部に入ってしまいました。
――体の方は?
コリトル先生 じんましんがしょっちゅう出ていました。今でいうアトピーの初期でした。この頃、僕がこの道に入るきっかけがありました。15歳だった従姉妹の股関節の靭帯が痛みだしたんです。中学に入ってバレーボールを始めたことが大きな負担になったんでしょう。痛みとして現れ、とうとう片足を引きずるようになりました。大学病院で診てもらったら「股関節の発育不全。股関節が半分しか成長していない」という結果が出て、医師から「先天性股関節発育不全」 と言われました。きちんと検査をしているのか、勝手に病名を付けているのではないか、医師のミスを先天性で片付けられていないか? と私は大きな疑問を持ちました。実は従姉妹は小学生の頃、ギブスをはめていた時期があったんです。
――矯正ですね。それが筋肉を硬くしたと?
コリトル先生 もともと単なる筋肉痛だったんです。それを医師から股関節脱臼と言われて、ギブスで矯正させられて筋肉が硬くしてしまった。成長するにつれて太り、体重の増加も伴なって、また筋肉に痛みが出たにすぎなかった。親も従姉妹も悪かったのかもしれないけど、病名を鵜呑みにしてしまった。体の状態を正しく把握しなかったんです。僕自身も病気がちでしたし、従姉妹のそんな状態もきっかけで、先代の奥山龍峰先生のところに行ってみたんです。指圧の世界では大御所の先生からもはかばかしい結果は得られなかったけれども、そのとき僕はこの道で生きようと思ったんです。僕自身がつらい経験をして体に興味を持った。東洋医学というものがあるんだと知って、19歳で入門して師についたわけです。その後は食べるためのつなぎとして、自動車整備の仕事をしてはシンナーで体を壊しては辞め、フェリー会社、電機メーカーで勤めながら週2日の休みになると、先生のところで見習いを続けました。浪越徳治郎さんが作った日本指圧専門学校にも通い、「あん摩マッサージ指圧師」の国家資格免許を取って、27歳で念願の独立を果たしました。僕は車の修理屋から人間の修理屋になったわけです(笑)。
――実体験が頑張りを支えたんですね。
コリトル先生 そうです。だから僕は上手になれたんです。健康な人は病人についてはわからないものですよ。受験勉強に生き残ってきただけの人間がやる仕事ではない、と僕は思います。東京の自由が丘でスタートして、39歳のときに吉祥寺でオープンしました。
――先生が今、最も力を注いでいるのがうつなんですね。
コリトル先生 “なんで僕はこんなに病気ばかりしているんだ” と思うのと同時に “僕はなんて心の弱い人間なんだ……” と精神的に落ち込みも苦しんだ時期があって、それがいつも自分の中で引っかかっていたんです。大なり小なり、今もそうですよ。僕自身は治っていない。僕にもコリはあるわけです。でも患者さんは治せても、自分は治せない。自分で自分を治療するのは難しいですからね(笑)。コリをつかんで取る、僕の技術は自分自身が受けたいもの、自分の体を治すにはこれしかないと思ったものをカタチにしたものです。プロとして恥ずかしい話ですが、初めの15年間は何も治せなかったんです。
――どういうことですか?
コリトル先生 この世界に入った人は必ず、漢方の理論をひととおり勉強させられます。それだけで10年かかる。経絡(けいらく)経穴(けいけつ)といっても実際に目に見えるものではないし、解剖学的にあるものでもない。1つの概念ですけれども、僕はそれを正しいと信じていました。ところが腰痛すら治せない。治らないと口でごまかす。口実を並び立てて患者さんのせいにしてしまう。本当は自分の技術が劣っていたから治せないだけだったんです。師について10年、独立して5年の間、もちろん治ることの方が多かったですよ。でも僕自身、なぜ治ったのかはわからない。納得がいかない。要は法則性がなかったんですね。
――法則性とは?
コリトル先生 「心身悪循環の法則」 です。筋肉にコリができると血液循環とリンパ液の流れが悪くなる。ストレスが増えて脳神経システムに異常が起こる。生命力が低下するものという法則です。病気の原因についてはストレス、血液循環、リンパ液の流れが悪い、自律神経の失調、自己治癒力の低下などと専門家はそれぞれに羅列しますけれども、ではなぜストレスが病気になるのか? 血液循環やリンパ液の流れが悪くなるとなぜ病気になるのか? については明確に答えられない。そこに筋肉の問題がまったく入っていない。コリを原因にする人もいない。僕はずっとコリが病気の原因と言っています。
――初めの15年間も?
コリトル先生 コリを取れば、痛みは取れる、病気が治るとわかっはていました。ただ、いつも治せたわけではなかったんです。科学には法則性があります。この世界も偶然に治せる、体験的になんとなく治せるではいけないんです。それで「心身悪循環の法則」に基づく「サーキュレーションセラピー(高山式体液循環療法)」 を作って、まずは腰痛の治し方から極めていきました。

・首周りにできたコリを取れば、脳につながる血管が緩み、血流が良くなり・・・

――コリは万病の元、の法則を持っての施術ですね。
コリトル先生 そうです。コリから病気の各種症状が起きてきて、それがストレスになり、うつ病にもなる。病気が持つストレスが、またストレスになるんです。2004年に西原先生の本で「ミトコンドリアが生命力の95%を作り出している」 とする考え方を読んだとき、僕と先生の理論が一致してパーフェクトにわかったんです。だから今は「これが私の技術です。これで病気は治ります」 と患者さんに差し出せるんです。
――うつも?
コリトル先生 はい。モータリゼーションが盛んになった時代、むち打ち症が社会問題になりました。たくさんの人が来たけれども全然治せない。同じコリを扱うのだから、腰痛と同じでいいのかもしれない、と探り当てたのが頚椎2番でした。私の母はずっとメニエール病というめまいの病気で悩んでいました。僕が小学5年の時に発病して、それを見ていたのもこの道に入るきっかけの1つでしたけど、ある日母の首の後ろをやってみました。やはり治ったんですよ。これなら精神の病いも治せると思ったんですね。僕がこの道に入ったのは腰痛を治したかったから。ほとんどの人が対象にするのも腰痛と肩こりです。本気でうつに取り組んでいる人、専門にしようと考えている人ははほとんどいません。他の治療院が「うつ」 と言い出したのは、僕がホームページに書くようになってからです。
――ここに来る人のうつの様子はいかがですか?
コリトル先生 体の痛みを伴っています。偏頭痛、生理痛を持っている人が多いですね。
――広く 「首」 と考えればいいのですか?
コリトル先生 後頭部と首です。要は首ですね。後頭部は首の筋肉がたくさん付いている場所ですから、余計に関係するわけです。脊椎 (せきつい) の上部、要は首の部分にある骨には頚椎1番、頚椎2番……と名称が付いていて、筋肉で覆われています。ここにコリがあるということは椎骨動脈や脳底動脈が硬化を起こしているということ。これを取ることによって、直接血管には触れないけれども脳に行く血管が全部緩むんです。すると血流が一気に良くなって、脳の機能障害が改善される。さらにはセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどの脳内ホルモンの代謝がアップします。ギャバ(脳に微量に含まれる神経伝達物質。脳内の血流を活発にし、酸素供給量を増やし、脳細胞の代謝機能を高める)に作用して扁桃核(原始的な情動を想起させる脳の機関)への血流が良くなる。脳はそれぞれの筋肉から受け取る精神的な情報を映す鏡です。それが扁桃核であると僕は思っています。いわゆる原始脳(大脳辺縁系) は動物もすべて同じ構造です。内臓から生まれる本能としての心的作用と、骨格筋から生まれる精神作用が扁桃核という脳下垂体のところで全部処理される。そこでの血流が悪くなるからうつ病になったり、その他の精神の病も起こり、コリを取ることで治すことができるのです。
――このサイトでは 「治る」 という言い方は控えておきますね。
コリトル先生 わかりました。僕はホームページにも自信を持って 「治る」 と書いていますし、どこからも、だれからもクレームを受けたことはありません。ちゃんと治しているから、正々堂々と書けるんです。
――あとは読む人の判断に任せましょう。こちらに来る方でうつを抱える人があまりにも多い。先生ご自身もうつ的気分をお持ちの経験から力を注ぐことになったと?
コリトル先生 僕自身、要はうつだったのでしょう。うつ病はだれでもなる病気ですし、社会問題になっています。テレビ番組で紹介されているのと同じ状況の人がウチにやって来ます。企業の新製品開発担当者で、うつになって3年間休職した方がいます。薬とカウンセリングでは治らない。このままではいけないと思ってホームページで治療院を探した。5、6軒回った後に、ウチで通院を続けています。精神科・心療内科ではアメリカなどの検査マニュアルがあって、患者の状態から診断が下されて病名も分けられている、それだけのレベルですよ。
――分類と言ってしまえば、そうですね。
コリトル先生 意味がないことです。患者さんにとっては治るか、治らないかが1番切実なところ。治る治療を求めているんですよ。
――うつが良くなってくるとは?
コリトル先生 頭がクリアになってきます。同時にやる気も出てきます。やる気とはミトコンドリアが作りだすATP (アデノシン三リン酸) のエネルギーです。それを心、精神と呼んでいるわけです。僕の目的はコリを取ることではなく、ヘタっているミトコンドリアを活発な状態に戻すこと。筋肉を扱うのはそのための手段で、症状を取り除くのが本来の目的です。病名は関係ありません。うつは原因もわかっていない。自分の敵が見えない、だから戦えない、戦う意欲も起きない。どんな難病よりもうつの症状の人が一番難しいです。原因すらわからないなんて悲劇ですよ。僕はその人たちのために治療がしたいんです。
――会話もしながらですね。
コリトル先生 初回は治療しながら、特に徹底的にカウンセリングします。
――身体接触があるから会話がスムーズに進みます。
コリトル先生 僕は話しながら治療ができるように意識して訓練したんです。スキンシップをしながら 「ここだよ」 「これだよね?」 「わかりますよね?」 と患者さんに話しかける。体に触れ、治療しながらの実感が伴う、最高のカウンセリングと信じています。私のホームページを毎日、それも1年、2年と見ている人もいます。とにかく迷わず、来てもらいたいですね。1回治療を受けてから他と比べたり、考え直してみてもいいわけでしょう。
――ホームページには大量の情報が書き込まれています。
コリトル先生 良くなりたいと必死な人は毎日読んでいるようです。苦しんだ人ほどピンと来るものがあるんでしょう。すぐに飛んでくる人もいます。僕たちは本当に苦しい患者さんの気持ちがわかってないのかもしれませんね。
――毎回の流れは?
コリトル先生 後頭部と頚椎2番を中心にやります。1回45分のコースでは80%が首回りです。僕にとって病名は関係ありません。心と体を分けてもいません。私の絶対的な方針としての「心身悪循環の法則」 の下ではうつも風邪も、腰痛も難病の治療も全部同じです。
――残りの20%は?
コリトル先生 胃痛、お腹への圧迫感、腰痛、生理痛などがある人は残り20%を部位別にやります。患者さんには “なぜ首ばかりなんだ?” と思う人もいるかもしれません。20%は患者さんの納得のためにやっている、と思ってください。うつの人は徹底的に首になります。1回45分間、ずっとつかみ続ける感じでゆっくりやります。気功と名付けてはいますが、いわゆる手からエネルギーを入れる感じではなくて、体液循環の流体エネルギーを活発にして遺伝子に働きかけて引き金を引かせるものです。
――通院のペースは?
コリトル先生 週2回、これが一番治りやすいパターンです。症状が軽い人で1週間毎日来て、治っていくこともあります。遠方から泊まりがけで来る人もいますよ。
――目安はありますか?
コリトル先生 人によってさまざまですので、一概には言えません。どんな人も 「毎日来れば半年で治せる」 と僕は言ってます。そんなには必要ないからとにかく週2回で、初めのひと月8回が勝負になります。ここに来て、状態を確かめさせてもらえれば「週1回でいいですよ」 「週3回ですね」 と言えるわけです。
――料金は?
コリトル先生 45分コースで1万500円です。健康保険は使えません。発行する領収書で医療費控除は受けられます。

・針のむしろに日々いる人をうつから抜け出させたい、と思いながら治療にあたる

――日常で、だれでもできる健康法をいただけますか?
コリトル先生 まずはできるところを、自分でできるマッサージをしてみてください。次に毎日お風呂に入ること。たばこを吸っている人は止める。冷たいモノは控えること。悪い習慣を1つずつ消していってもらいたいですね。うつにつながる要素を早めになくしてくれれば、ウチに来たときにはコリだけに集中できます。私は週2回一生懸命に、できる限りの治療をやります。冬は体にカイロを張ってもらう。夏は冷房で体を冷やさないようにする。アイスクリームは食べない、ビールも飲まないようにと患者さんには約束させています。守る人はいないけど(苦笑)。みなさんはやらない理由、口実ばかりを並べるんです。社会や環境のせいでも、文明が発達しすぎたせいでもなければ、親のせいでも遺伝のせいでもない。健康に良いものと、悪いものとを個人レベルで判断しない。日常での注意が足りなすぎる、健康への危機管理が甘いのがいけないんです。利便性を追求する社会はモノを次々に作りますが、利用するのはあくまでも個人です。悪いとわかった時点で引き返すべきですし、アドバイスを求めらたから答えたのにやめない、変えようとしない、いい習慣を身につけようとしない。僕はこれが一番の病気の原因、問題だと思っています。わかっている人は注意している、しない人は全然注意していない。自分の体は自分で守る意識がなければ、だれも守ってはくれません。気づいた時点で実行すれば、本当はだれでも良くなっていくんです。
――仕事が忙しすぎる、他人から嫌がらせを受けるような場合は?
コリトル先生 そんなに嫌だったら、今の場所から離れればいいじゃないですか。コンピュータの向かい過ぎで病気になったのなら、少しでも早く仕事を切り上げればいいんです。周りの目が気になる、そんなことしてたらクビになると考える方がおかしいんですよ。仕事は本来、良い人間関係を築くためにもあります。有休があるなら取ればいい。それでもダメなら「体の具合いが悪いので、しばらくは早めに帰らせてもらいます」 と堂々と言えばいい。具合いが悪い社員を無理矢理引っ張ってきて、働かせる会社はないですよ。結局は個人の自由で選択して、全部自分が決めたこと。執着しているのがいけないんです。でも生きていくためには働いて稼がないといけないわけですから、確かに難しい。10年、20年勤めた会社を辞めるのは大変なことです。僕もサラリーマンをやっていたので迷うのはわかります。言いにくいのもわかる。だから「辞めてはいけない」 と言うんです。先に話した、入浴やウォーキングを勧めています。会社を辞めることを思えば、簡単なことばかりじゃないですか。それでもやらないですね(苦笑)。
――身も、心も凝り固まってしまっている。
コリトル先生 そうです。会社の奴隷に、もっと言えば自分の奴隷になってはいけないんです。そうならない自分を作っていれば、人は簡単に病気にはなりません。心や精神ではない。脳には考える力があるわけだから、“考え方” そのものを変える。“治りたい” と “治したい” は違います。患者さんは “治したい” と思っています。ならば心身に悪いものはやめてもらいたいですよね。

――ご自身のうつ的気分の解消法は?
コリトル先生 ウォーキングが僕の健康法です。この8年間、通勤で毎日往復2時間歩いてます。とにかく人間は歩かないといけない。健康を維持するには歩くしかないんですよ。基本ですし、こんなに簡単にできることもないですよね。
――最後にメッセージをお願いします。
コリトル先生 コリは1人ひとり違います。どこまでが健康なコリで、どこからが病的なコリなのかは僕が触れてみなければわかりません。あとは本人がコリを自覚できるかどうかです。病気はない方がいい、人生は楽しい方がいい、気持ち良く楽しく、一生懸命働ければ1番いいとみなさんが思っています。うつの患者さんは「会社には行ってますが、毎日が針のむしろです」 と言ってます。なんとかそこから早く抜け出させてあげないといつも思いながら、僕はみなさんの治療にあたっています。
――カウンセリングもしながらの施術。多くの人にぜひ一度、試してみてもらいたいと思います。ありがとうごさいました。〔取材・2008年5月〕




高山 峰壽先生(Minetoshi Takayama)
気功整体指圧セラピスト
1949年1月3日 東京生まれ。
早稲田大学、日本指圧専門学校卒業
著書:『コリトル先生の自分でできるスッキリ指圧』(講談社)

武蔵野リバース
住 所 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-11-30 ダイアパレス吉祥寺808
電 話 0422−20−2405
完全予約制
予約受付時間 9:00〜21:00        
診療時間 平日13時30分〜19時30分
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